陶磁器を焼成する窯

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陶磁器を高温で焼成するための焼成炉を『窯』と言います。目的別に素焼窯・本焼成窯・絵付窯などがあり、燃料別の分類では薪窯・石炭窯・電気窯・重油窯・ガス窯などがあります。構造別では連続窯・半連続窯・不連続窯が、形状で分類すると、穴窯・登り窯・トンネル窯などがあります。

1.窯の形状による種類
窯を形状で分類すると以下の種類に分類されます。
1.穴窯(あながま)
穴釜は中世の須恵器など焼き物の多くを焼いた山や丘の斜面に築かれたトンネル状の地下式、また半地下式の窯を言います。窯の奥に煙突の機能を持たせた『煙出』を設け、土地の斜面を利用することによって炎と熱の効率を良くし火力を強くし高温を得ます。(図 1)
2.登り窯(のぼりがま)
登り窯は穴釜を進化させたもので斜面に数個の焼成室を連続させて築かれた窯です。
手前から『焚口』・『第一燃焼室』・『第二燃焼室』・『第三燃焼室』と続きます。燃焼室の数が決まっているわけではありません。
最前部の燃焼室で炙り焚きをして、順に上にある燃焼室に炎と熱が伝わっていくので、穴釜に比べて効率の良い半連続式の焼成が可能になりました。(図 2)
3.角窯
角窯は明治時代にドイツから技術が伝わり普及した新しい構造の焼成炉です。
平面が四角く、構造が簡単であるため、棚積に便利で多くの焼成の対象である品を入れることが出来ることが特徴です。レンガや土管などの製造に多く使われました。
4.トンネル窯
トンネル窯は焼成温度が最も安定した効率の良い進歩した大量生産に適した窯です。
窯の中での最も高温で長い時間を必要とする部分は窯の中央付近にあり、長いトンネルの中で予熱・焼成・冷却を時間をかけて連続して行えるように作られた窯です。焼成の対象である品が台車に載せられて、長時間ゆっくりとレールの上を進みトンネル窯を通過し終わると焼成も終了します。
ガスや重油などの燃料コストが低く抑えられ、連続して焼成の対象物を窯に入れることが出来るので、大規模な工場で多く使われています。
5.シャトル窯
トンネル窯と角窯の利点を合わせたシャトル窯も比較的量産に向いた焼成炉です。窯の外で、台車の上で窯詰めを行い、台車ごとレールに乗せて窯に入れます。

 図-1 穴釜
穴窯

 図-2 登り釜

2.窯の中の温度
陶磁器を焼成している窯の内部の温度はどのように調整されるのでしょうか?
ゼーゲル錐(ゼーゲルコーン)と言うもので計測します。このセーゲル錐はドイツのH.A.ゼーゲルが考案したもので、珪酸・珪酸塩・アルミナの混合物で作られる三角錐の高温測定計器具です。
その珪酸・珪酸塩・アルミナの混合物質はそれぞれ溶倒温度が決まっていて、焼成時に窯の中が一定の温度になると軟化して曲がり窯の中の温度がわかるような仕組みです。
SK022(600℃)からSK42(2015℃)までの59種類があります。
現在の工業生産では窯の内部の温度を測定する際は必ずしもゼーゲル錐を使用するわけではありません。各種のセンサーを使用し窯の内部の温度を測定します。

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